アメリカの消防救助基準であるNFPA(National Fire Protection Association=全米防火協会)のガイドラインに準拠した、ライフセイフティーロープ(スタティックロープおよびローストレッチロープ)を使ったロープ救助テクニックのセミナーがロープレスキューテクニシャン(RRT)です。ビルや工場などにおける都市型のロープレスキューや、山岳・閉所・崖などロープの補助なくして作業が難しい場所全般における救助活動に適応します。また、高所作業テクニックにも応用可能です。プログラムの内容は、アメリカにおける近代的ロープレスキューではもっとも権威と実績のあるCMC Rescueのスタイルを踏襲し、それに最新の情報・技術を付加してプログラムを構成しています。
また、受講しやすいように2日単位(16〜14 時間)のステップで構成されており(別記参照)、習得に応じて順次ステップアップしていきます。各ステップとも、1〜2名のインストラクターでセミナーを実施いたします。
受講対象者
消防士/警察官/自衛官/海上保安官/高所作業従事者/野外活動愛好家及び指導者など
適応
一般家屋やビルにおける高所作業、または救助
倒壊した家屋、ビルからの要救助者、資材の搬出
断崖や急斜面における作業、または救助
ダム、ノリ面、橋梁、トンネルなどにおける作業、または救助
煙突、鉄塔などにおける作業、または救助
山岳救助全般
洞窟内救助全般
閉所(地下道、エレベータートレンチなど)における作業、または救助
泥濘地における作業、または救助
ヘリコプターからの下降、および上昇
路外地全般における作業、または救助
コース紹介
以下のSTEPプログラムはあくまでもサンプルです。団体・グループに、ニーズに合わせて、プログラム内容はフレキシブルに対応します。
STEP1(約16時間)
次のステップに進むために不可欠な、理論、機材、ロープ&テープノット(結策)、メカニカルアドバンテージシステム(倍力効果)の基礎を、2日間で習得します。スタティックシステム・ロープレスキュー・テクニックにおいて、もっとも重要となるセクションです。
1日目
● NFPAとCMCの解説
● ロープとウエビングテープの特性
● 2点支持時の角度と荷重の分散と増幅
● スタティックシステム・セイフティー・ファクター
・プルージック特性
・1to10メソッド
・荷重限界
・フォールファクター
● 機材・装備の説明
● 必須となるロープ&テープノット(結索)
● アンカー(支点)作成の基礎
● ビークルアンカー
2日目
● メカニカルアドバンテージ(MA)の基礎
2対1、3対1、5対1、6対1、ピグリグシステム、Wラインへの均等6対1
● ビレイラインシステム
● システムキットとMAの応用
● テンショニング(展張)
STEP2(約14時間)
ステップ1で習得した知識、技術を使って現場トレーニングします。テーマは、メカニカルアドバンテージシステムを応用した、急斜面での荷重の上げ下げです。Aフレームを使ったハイポイントアンカーや、ストレッチャーラッシング(担架への要救助者縛着)も学びます。主に野外の自然環境で実習を行います。
1日目
● ステップ1の復習
● ハイポイントアンカー(3〜4パターン)
● ストレッチャーラッシング
● ストレッチャーの結着と確保
● 徒歩による斜面の上昇、下降
2日目
● ストレッチャーを使った斜面の上昇・下降
● ガイディングラインによる斜面搬送
● ノットパッシング(結び目の通過)
STEP3(約14時間)
斜面で培った技術を応用して、バーチカルシチュエーション(垂直状況)にステップアップしてゆきます。主にビルや訓練塔など、人工建造物を使う実習となります。
1日目
● ステップ1およびステップ2の復習
● チェストハーネスの作成
● ディセンディング(懸垂下降)
● アセンディング(垂直上昇)
● ストレッチャーリギング(4点吊り)
● ビクテムハーネス
● 荷重の上げ、下げ
2日目
● ストレッチャーの垂直位置降ろし
● ストレッチャーの水平位置降ろし
● ピックオフレスキュー
STEP4(約14時間)
バーチカルシチュエーション(垂直状況)における、さらに高度で複合的なシステムを習得します。主にビルや訓練塔、河川を跨いだ渓谷などをフィールドにした実習となります。
1日目
● ステップ3の復習
● ストレッチャーの水平位置降ろし&引き上げ
● オフセットシステム
● ディフレクションシステム
● レクチャー(クートニーシステム)
2日目
● ガイディングライン・レスキュー
● ラインクロッシング・テクニック
● クートニーハイライン・システム
(シングルライン/ダブルライン)
● ストレッチャー&クートニーハイライン・システム
● クートニー&リービング・システム
STEP5(約14時間)
ステップ5では、とくに細かなサンプル・カリキュラムは設けていません。実際に難易度の高いフィールドに出て、断崖や橋においてストレッチャーの上げ下げを試みたり、渓谷を挟んでハイラインを張ったりと、これまでに学んだ知識と技術を総合的に応用して、よりリアルで実践的、かつアドバンスドな実技を行います。 ※ステップ1〜4までを連続して開講することも可能です。その場合は7日間の日程となります。
参加資格
とくに腰部の故障がなく、心身ともに健康で、満18歳以上60歳以下の方で、免責同意書に自筆サインができ、セミナー期間中に協調性を維持できる方。経験の有無や長短、職種、性別は問いません。
※RESCUE3のTRR-Tコースをすで履修済みで、有効期間中の資格認定をお持ちの方はステップ2以上のどこからでも参加が可能です。
ご用意していただく個人装備
以下の装備は参加者ご自身でご用意下さい。これ以外のものは主催者側で準備いたします。/p>
● 筆記用具
● シットハーネス(救助用にかぎる。フルボディーハーネスも可)
● ヘルメット(救助用または山岳用)
● 活動しやすい汚れてもいい服装(消防の方は救助服でOKです)
● 活動しやすい汚れてもいい靴(消防の方は編み上げでOKです)
● グローブ(ロープハンドリングに適したもの)
※チェストハーネスをお持ちの方はご持参ください。
レンタル装備
CMC社製のレスキュー用シットハーネス(NFPA規格)は無料レンタルが可能です。ただし数にかぎりがありますのでお早めにお申し出ください。先着順となります。
最少催行人数と定員
各ステップの最少催行人数と最大定員は以下の通りです。なお、最少催行人数に達しない場合は、セミナーを中止する場合があります。
ステップ | 最小催行人数 | 定員 |
ステップ1 | 10名 | 35名 |
ステップ2 | 10名 | 16名 |
ステップ3 | 10名 | 16名 |
ステップ4 | 10名 | 16名 |
ステップ5 | 10名 | 12名 |
その他講習種別 OTHER SEMINAR TYPE
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CMCロープレスキュー・セミナー
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レスキューフレームワーク・セミナー
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ラフトボート操船講習プログラム
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レスキュー3「スイフトウォーター・レスキュー・テクニシャン」(SRT-1)